人手不足を解消するために

介護業界での人手不足はいつも叫ばれています。なぜ、介護の業界は人手不足が生じているのでしょうか。

一つ挙げられる理由として、働きにくさがあります。介護施設では、24時間体制で利用者の生活支援に当たるため、夜勤を含め不規則勤務になります。若いうちは不規則勤務でも働くことはできます。しかし、女性の場合だと結婚や出産、育児を迎えると不規則勤務での働き方は困難になります。

大手の施設になると、日勤でも働くことができるよう訪問介護事業や居宅介護支援事業所といったものを併設するため、ライフプランに応じて働き方を変えることができます。しかし、入所施設しかない介護施設となれば、継続して勤務することは困難になります。そんな中で、結婚していない職員だけ夜勤を多くしてしまえば、従業員たちは不平感を募ってしまいます。

夜勤専属のパートを雇うということもできますが、なかなか人が集まらないのが現状です。結果的に正社員も夜勤を数こなすことになっています。結婚した職員が多くなるほどに、他の職員に負担が大きくなってしまいます。かといって、家庭をもちながら不規則な勤務をこなすことは、他の家族の支援がない限り難しく、結婚後も不規則できる職員は限られてしまいます。こうした背景もあり、職員は必然的に退職してしまい人手不足となってしまうのです。今後人材を確保していくためには、女性が結婚後も働きやすい職場の体制をつくることが早急に求められています。